中2から大学2年まで強迫性障害でした。こぺんぎんです。
突然ですが、強迫性障害という病気を知っていますか?
簡単にいうと、
不安が頭をよぎった際に、それを払拭するために意味のない行動を何回も何回も繰り返してしまう病気です。
主な症状として、
・何回も手を洗う
・何度も確認してしまう
・来た道を戻ってはまた進むを繰り返す
・頭を何回も振ってしまう
などです。
実は有名人にも多く、wikiを見ると
サッカー選手のベッカムや、ラッパーのR-指定も脅迫性障害の有名人として取り上げられています。
今、人気の俳優、佐藤二郎もすこし前まではwikiに書かれていた記憶があります。
さらに佐藤二郎さんは、自身が監督する映画『memo』において、強迫性障害の主人公を演じています。
映画『memo』では何回も手を洗ってしまう描写や、寝る前に電気をつけたり消したりを繰り返す描写が含まれており、強迫性障害患者にとって共感がもてる内容です。
強迫性障害患者を客観的にみられるため、おすすめです。
(ただし、バッドエンドですので、あまりナーバスな方は観ない方がよいです。)
世界での有症率は2.0%と言われていて、50人に1人の割合でいることになります。
そんな、身近な強迫性障害について、
僕の強迫性障害の、発症と治ったところまでの経験をご紹介いたします。
発症
発症は、今でも鮮明に覚えていますが、中2のころです。
高校受験を意識し始めたころに始まりました。
自分は塾も通っていたこともあり、成績は常に学年で10%以内に入るようになっていましたが、それが自分へ強迫観念を植え付けました。
常に頭の中に、詰め込んだ知識がたぷたぷに入っている感覚で、道にあるでっぱりや植木の角などを横切ると、その知識が「削られる」感覚に陥りました。
削られると知識が減り、テストが解けなくなるという強迫観念が出てきてしまい、
一旦横切ったあとに、またその場所へ戻って、「回収する」
という行動をとっていました。
たぶん、何を言っているのか分からない感覚の人がほとんどでしょうが、強迫性障害の人なら共感があるはずです。
ちなみに、
不安を生じさせるものを強迫観念
といい、
強迫観念を取り払うための行動を強迫行為
といいます。
今までの強迫観念と強迫行為
その後、勉強に関する強迫観念は消え去りましたが、
その代わりに、以下の強迫観念がかわりがわりに来ました。
「ケガをしてしまう」
「怖い人に脅される」
「はげる」
そして、
その強迫観念を取り去るための行動としては、
「手を気がすむまで洗う」
「頭を気が済むまで振る」
「息を気が済むまで吸い続ける」
「本を何度も同じページを読み返す」
「嫌な数字を極端に避ける」
という行動をとっていました。
特に、頭を振るという強迫行為が7年くらい続いて一番長かったです。
仕事や学問への影響
仕事や学問への影響は測りしれません。
僕は幸いにも社会人になる前に、ほぼ治すことができましたが、
中学・高校・大学と、学生自体は完全に強迫性障害のピークでした。
勉強をするにも、
汚い手でペンを持つと「頭が悪くなる」という強迫観念による、「何度も手を洗う」という強迫行動や、
先ほども言った、知識が「削られる」という強迫観念による、「来た道を戻る。」という強迫行動、
また、不安なことが頭に浮かんだら「それが起きてしまう」という強迫観念による、「頭を何十回も振り続ける」という強迫行動
を何年間も行っていました。
もちろん、勉強も遊びにも影響していたのは間違いない事実です。
もし、社会人になってもこれが続いていたら、間違いなく仕事が手につかない時間がたくさん生まれたはずです。
治ったキッカケ
治ったキッカケはとても幸運だったのですが、
ある日、アンビリバボーで「強迫性障害」の特集をしていました。
海外の少年が何度も階段を昇り降りしている現象が紹介され、それを儀式として行わなければ、強迫観念が消えないというものでした。
それを「強迫性障害」という病名で紹介されていました。
今でもはっきり覚えています。
自分と同じだ!自分ってこの病気なんだ。
となりました。
正直、その番組と出会わなければ、とてもめんどくさい、ただの癖として受け入れていました。
ただ、明らかに他人からみておかしな行動でした。
家族に、「なんで頭ふるの?」と聞かれたり、
友達に、「頭ふるの、癖なの?」と聞かれたこともあります。
ただ、それを行わないと強迫観念が本当に起きてしまうと考えてしまい、それを払拭するように強迫行為を延々と続けていました。真面目にです。大真面目にです。
ただ、アンビリバボーをみてからは、それをしても意味がない。
という事を知り、だんだんと強迫行為をしないようになり、3年ほどの月日をかけて、現在ではほぼ治った状態です。
ただ、
ほぼ治ったといっても、今でもたまに強迫観念に襲われることもありますし、払拭するための強迫行為も行ってしまうこともあります。
ただ、そんなときに僕は、
「あ、強迫性障害でてる。」
と冷静に自分を客観視しています。
すると、強迫性障害=意味のないこと。として、辞められるようになりました。
たまに見かける強迫性障害の人
僕は自分が強迫性障害を持っていたので、
街でたまにおかしな行動をとる人を見ると、強迫性障害だと分かります。
トイレで10分も手を洗っている人がいたり、
なにかするたびに頭を細かく振る人がいます。
おそらく強迫性障害です。
ただ、その人が強迫性障害と知っててなお、やめられないのか、気づかずに強迫観念を払拭しようとしているのか、分かりませんし、
なかなか声をかけることもできません。
強迫性障害について知っていて欲しい
この記事を読んでくださった方、
もしご本人が強迫性障害だとしても、違った場合でも、
強迫性障害というものを是非知っていて欲しいです。
それは、
もし自分がなった時には、意味のないことだと知り、治すことにつながるから。
もし自分の周り(友達や家族や恋人)がなった時に、それは強迫性障害かもしれないよ。と教えることができるからです。
正直、強迫性障害はかなり苦しみます。
僕は頭を振る強迫行為をしたせいで、首や頭に異変を感じ、MRIをとって検査をした経験があります。
また、仕事や勉強、日常生活にも無駄な時間や精神疲労を起こします。
ぜひ、強迫性障害というものを知っていただいて、治すキッカケにしてください。
僕が強迫性障害を治すために試したもの
最後に、僕が強迫性障害を治すために試したものをご紹介します。
強迫性障害を乗り越える!
この本は見開き2ページづつで強迫性障害について様々なことが書かれていて読みやすいのもありますし、
具体的な強迫観念や強迫行為、治し方や、併発する症状、医療機関への罹り方、家族の対応の仕方など、幅広く扱っているのでオススメです。
まずは最初の方で紹介した、佐藤二郎の映画『memo』です。
『memo』
TSUTAYAなどでもたまに置いている店舗があるので、調べて借りてみるのをオススメします。
次に、強迫性障害についての本です。